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40代女性に抜け毛・薄毛が急増する理由とは?
「最近、抜け毛が増えてきた…」と感じている40代女性は少なくありません。
実はこの年代、ホルモンバランスの変化や加齢、生活習慣の影響など、さまざまな要因が重なりやすい時期です。
そのため、急に抜け毛が気になるようになることも珍しくありません。
ここでは、40代女性の抜け毛や薄毛の主な原因を下記の5つの視点からご紹介します。
40代女性の抜け毛や薄毛の主な原因
- FAGA(女性男性型脱毛症)によるびまん性の脱毛
- 更年期によるホルモンと自律神経の影響
- ストレスや生活習慣の乱れによる頭皮環境の悪化
- 加齢によるヘアサイクルの乱れ
- 疾患や薬の影響による抜け毛
①FAGA(女性男性型脱毛症)によるびまん性の脱毛
FAGAは、女性ホルモンの減少に加えて、遺伝やアンドロゲン(男性ホルモン)の影響によって起こる進行性の脱毛症です。
頭頂部を中心に髪が全体的に薄くなり、分け目が目立ってくるのが特徴で、じわじわと進行していく傾向があります1。
FAGAは「びまん性」に進行するため、生え際が後退する男性型とは異なり、「髪が全体的に細くなる」「分け目が目立つ」などの変化が見られます。
進行性で自然治癒は難しいため、早期に対策することが大切です。
②更年期によるホルモンと自律神経の影響
40代以降の女性は、閉経を前にエストロゲンの分泌が急激に減少しやすくなります。
閉経前後の急激なホルモン変化(特にエストロゲンの低下)によって、ヘアサイクルが乱れることにより引き起こされる脱毛を更年期脱毛といい、体調の変化(ほてり・イライラ・生理の乱れなど)と同時にみられることが多いのが特徴です。
自律神経の働きにも影響が出やすく、頭皮の血流が低下することで、毛根への栄養供給が不足しやすくなり、抜け毛の増加や毛の細りにつながります。
その結果、「髪が伸びにくくなる」「いつもより抜け毛が増えた」といった変化を感じる方も多いのです。
③ストレスや生活習慣の乱れによる頭皮環境の悪化
「忙しくて睡眠時間が短い」 「ついジャンクフードばかり…」
そんな日常の積み重ねも、髪にとっては大きなダメージとなります。
ストレスは自律神経のバランスを乱し、頭皮の血流を低下させる原因になります。
さらに、過度の疲労や栄養バランスの偏りは、毛髪への影響につながると言われています2。
特に40代の女性は仕事・家庭・体調の変化などが重なる時期。
生活のリズムを見直すだけでも、髪にとって良い変化が期待できるかもしれません。
④加齢によるヘアサイクルの乱れ
年齢を重ねることで、毛髪の「ヘアサイクル」(生え代わりの周期)そのものにも変化が起こります。
具体的には、髪が伸びる成長速度が遅くなり、35~39歳をピークに加齢とともに細く・短い毛が多くなるとも言われています3。
髪が抜けても新しい髪が育ちにくくなるため、結果的にボリュームダウンや地肌の透けが目立ちやすくなります。
⑤疾患や薬の影響による抜け毛
抜け毛の背景には、見逃されがちな「疾患」や「栄養不足」が潜んでいる場合もあります。
特に鉄欠乏性貧血や甲状腺機能の異常は、女性の脱毛の一因として知られています4。
例えば、鉄はヘモグロビンを構成し、毛根に酸素を届ける役割を担っています。
ダイエットなどにより鉄が不足すると、毛の成長がスムーズに行われず、抜け毛が増えることがあります。
また、甲状腺ホルモンは代謝全体に関与しており、その異常は髪の成長にも影響します。
「健康診断で異常があった」 「貧血気味と言われた」という方は、まず体調面から確認してみることも大切です。
このように、40代女性に抜け毛が増えるのにはさまざまな理由があります。
自分の状態にあわせて正しく理解し、早めのケアや受診を考えていくことが、これからの美しい髪を守る第一歩になります。
抜け毛・薄毛の可能性をチェック|YES・NOでわかるセルフ診断
「最近、髪のことでちょっと気になることがある…」
そんな方は、まず以下のセルフチェックを試してみましょう。
YESの数によって、今の髪の状態に合わせた対策が分かります。
- Q1
- 髪のボリュームが明らかに減ったと感じる
YESが3つ以上だったあなたへ|医師の診察を受けて、最適な治療を見つけましょう。
3つ以上当てはまる方は、FAGAや更年期脱毛の可能性が高い状態かもしれません。
進行性の脱毛症の場合、セルフケアだけでは改善が難しいこともあるため、早めに医療機関に相談することがおすすめです。
とくに「分け目が目立つ」 「家族にも薄毛が多い」など複数の要因がある場合は、治療を始めるのに最適なタイミングといえます。
YESが1〜2個だったあなたへ|まずはセルフケアから始めてみましょう。
軽度な変化しかない場合は、生活習慣やヘアケアの見直しで改善する可能性があります。
とくに、睡眠・栄養・ストレスケアは髪の健康に直結する要素。
丁寧なシャンプーや頭皮マッサージ、食生活の改善など、今日からできるケアで状態を整えていきましょう。
YESが0個だったあなたへ|今後のために薄毛予防の準備を。
今のところ目立った心配はなさそうですが、年齢とともに髪の変化は徐々に進むものです。
今後に備えて、頭皮ケアやストレスマネジメントを意識して生活することが、将来の髪を守る第一歩になります。
「まだ大丈夫」と思える今こそ、予防をスタートするチャンスです。
FAGA・更年期脱毛、私にはどんな治療が合ってる?|40代女性に合った薄毛治療の選択肢
「髪のボリュームが減ってきたけど、何をすればいいのかわからない…」
そんな悩みを抱えている方にこそ、早めの治療が大切です。
FAGA(女性男性型脱毛症)や更年期による脱毛は、自然に治ることは少なく、進行する可能性が高いため、放置するとさらに薄毛が目立ってしまう可能性があります。
その理由は、FAGAは加齢やホルモンの影響で髪の成長速度が遅くなり、髪が十分に太く長く育つ前に抜けてしまう「びまん性脱毛」が起こるからです。
また、更年期には女性ホルモン(エストロゲン)の急激な減少が起こり、これも毛周期の乱れを引き起こす要因となります。
「そのうち治る」と思って放置せず、できるだけ早めに自分に合った対策を始めましょう。
40代女性の薄毛治療の選択肢
- 【内服薬】
スピロノラクトン・パントガール・ミノキシジル - 【外用薬】
ミノキシジル1%外用薬 - 【注入療法】
幹細胞培養上清注入・PRP療法
主な治療法①:内服薬
スピロノラクトン
スピロノラクトンは、抗男性ホルモン作用を持つ薬剤で、FAGAの進行を抑える効果が期待されています5。
特にホルモンバランスの乱れが関与するタイプの脱毛には適しており、更年期以降の方に用いられることがあります。
ただし、高カリウム血症や月経不順、倦怠感などの副作用も報告されており、医師の処方薬とされています6。
パントガール
パントガールは、アミノ酸・ビタミンB群・薬用酵母などを含む女性用の総合栄養補助剤で、びまん性脱毛の改善が期待されています7。
ドイツで有効性が検証され、世界で初めて「薄毛・抜け毛の効果と安全性」が認められた、女性用の薄毛治療薬で、3〜6か月の継続で毛髪の強度や太さ、成長が改善されたという臨床データがあります8。
サプリメントに近く、副作用は少ないとされますが、スピロノラクトン同様、医師の処方薬となっています。
ミノキシジルタブレット
ミノキシジルの内服は、血管拡張作用を介して毛包への血流を促進し、発毛効果が期待されています。
しかし日本のガイドラインでは、ミノキシジルの内服使用は推奨されておらず、医師の判断での処方となっています9。
理由として、多毛症・むくみ・動悸などの副作用があり、安全性が十分に確認されていないためです。
主な治療法②:外用薬
ミノキシジジル
女性の薄毛治療において、もっともよく用いられている外用薬の一つがミノキシジルです。
実際に「抜け毛が気になって市販の育毛剤を使っているけど、あまり効果を感じられない」という声を多く聞きます。
ミノキシジルは、血管を拡張し、頭皮の血流を改善することで毛包の成長を促す薬です。
とくに、びまん性のFAGA(女性男性型脱毛症)において一定の効果があることが確認されています10。
さらに、日本皮膚科学会のガイドラインでも、ミノキシジル1%外用薬はFAGA治療における推奨度A(行うよう強く勧められる)に位置づけられています11。
ただし、頭皮のかゆみや発疹などの副作用が報告されることもあり、使用開始後に異常を感じたら医師に相談することが大切です12。
市販薬との違いや効果が出るまでの期間
市販の女性向け育毛剤とミノキシジル外用薬では、髪に対する作用や期待できる効果が異なります。
市販薬は多くが医薬部外品に分類され、頭皮環境を整える程度の作用にとどまる一方で、ミノキシジルは医薬品として発毛効果が認められている有効成分です。
実際に、ミノキシジルを使用することで、発毛が促進された症例が複数報告されています13。
ただし、効果が現れるまでには少なくとも4〜6ヶ月の継続使用が必要であり、1〜2ヶ月では変化を感じにくいかもしれません14。
「思ったよりすぐに効果が出ない」と感じる方もいらっしゃいますが、正しい方法で根気よく続けることが大切です。
主な治療法③:注入療法・メソセラピーとは?
注入療法は、頭皮に必要な成分を直接届けることで、毛根や頭皮環境を集中的にサポートする治療です。
髪の悩みを根本からケアしたいという40代女性に注目されている治療のひとつで、主に幹細胞培養上清液注入やPRP療法などがあります。
これらは外用薬や内服薬では届きにくい層にまで成分を浸透させることができる点が特長です。
幹細胞培養上清液注入とは
幹細胞培養上清液注入とは、ヒト幹細胞を培養した際に得られる上澄み液に含まれる成長因子やサイトカインを活用し、頭皮の再生を促す治療法です15。
成分が豊富で、毛包や頭皮の修復・再生を促進する働きがあるとされています。
当院では、毛髪再生のために開発された幹細胞培養上清液(臍帯由来)『ReGrow』を使用し、発毛に必要な成分を頭皮へ直接注入することで、細胞レベルで毛根にアプローチし、髪の成長をサポートします。
アレルギーや副作用のリスクが極めて低く、「初めての方」や「内服薬に抵抗がある方」でも、安心して受けていただけます。
また、自己血を使用しないため、PRP療法に抵抗がある方にも選ばれる傾向にあります。
治療の推奨回数は月1回を3〜6回程度継続するのが一般的で、1回あたり約10万〜15万円の費用がかかることが一般的です。(※料金はクリニックにより異なります)
PRP療法(多血小板血漿注入)とは
PRP療法とは、患者自身の血液から採取した多血小板血漿(Platelet-Rich Plasma)を頭皮に注入する治療法です。
自己由来の成分を使用するため安全性が高く、血小板が持つ成長因子によって、毛根の活性化や頭皮の炎症改善が期待されます。
PRP療法も幹細胞培養上清液注入と同様に、月1回、3〜6回程度の施術が目安で、費用は1回あたり約10万〜15万円程度です。
ただし、どちらの治療も効果の実感には個人差があるため、必ずしも満足のいく結果が得られるとは限りません。
幹細胞培養上清液注入 | PRP療法 | |
---|---|---|
成分 | 幹細胞培養液に含まれる成長因子など | 自己血から抽出した血小板 |
特徴 | 成分が豊富で、一定の効果が期待できる | 自己由来で安全性が高い |
効果 | 頭皮環境の再生と毛根の活性化 | 発毛・育毛の促進 |
デメリット | 効果に個人差あり | 効果に個人差あり |
推奨回数 | 月1回×3〜6回程度 | 月1回×3〜6回程度 |
金額の目安 | 1回あたり 約10万〜15万円 | 1回あたり 約10万〜15万円 |
※上記は一般的な費用の目安です。内容や薬剤の種類によって異なる場合がありますので、詳しくはカウンセリング時にご確認ください。
治療選びのポイント|生活スタイル・希望する効果・副作用などに応じた選択を
治療を選ぶときは、「効果がありそう」だけで決めるのではなく、自分の体質や生活スタイルに合っているかを考えることが大切です。
たとえば、内服薬は全身に作用しやすいため副作用の注意が必要ですし、外用薬は自宅で手軽に使える分、効果の実感まで時間がかかることもあります。
注入療法は積極的に効果を求めたい方に向いていますが、費用や通院がネックになる場合もあります。
まずは、自分が「無理なく続けられるかどうか」に注目して、医師と相談しながら、納得のいく治療法を見つけましょう。
当院でも安心して治療を受けていただけるよう、十分な説明と納得いただけるまでカウンセリングを行っていますので、不安や疑問があれば遠慮なくご相談ください。
40代女性の抜け毛対策|セルフケアでできること
年齢とともに髪の状態が変わっていくのは自然なこと。
だからこそ、毎日のケアを見直すチャンスでもあります。
治療に頼る前にできることは意外と多く、自分の髪を育てる土台づくりが今後の髪質を大きく左右します。
ホルモンバランスを意識した生活習慣を整える
40代は女性ホルモンの変化が始まり、髪のトラブルが出やすくなる時期です。
そんな時こそ、日常の過ごし方を少し工夫するだけで、抜け毛を予防することができます。
ホルモンバランスを整えるためには、「睡眠」と「ストレス対策」が基本です。
特に睡眠不足はホルモンの分泌に大きな影響を与えるため、最低でも6〜7時間の質の良い睡眠を意識しましょう。
また、慢性的なストレスは血行不良を引き起こし、頭皮環境にも悪影響を与えるとされています16。
ホルモンの変動は完全に防ぐことはできませんが、生活習慣を整えることは将来の髪の健康維持に有効です。
頭皮環境を整える正しいヘアケア習慣
頭皮は髪が育つ土台。
畑に例えるなら、健康な頭皮がなければ髪という「作物」は育ちません。
そのため、日々のシャンプーやドライヤーなどの基本的なケアを正しく行うことが重要です。
具体的には、刺激の少ないシャンプーを選び、よく泡立てて頭皮をやさしくマッサージするように洗うようにしましょう17。
髪を乾かす際は、ドライヤーを頭皮から20cm以上離して使い、同じ部分に熱を当てすぎないようにします。
また、紫外線は頭皮の老化や乾燥を招くため、UVスプレーや帽子での対策も有効です。
髪の結び方にも注意が必要で、強く引っ張るポニーテールなどは「牽引性(けんいんせい)脱毛症※」の原因になることがあります。
※牽引性脱毛症とは:髪の毛を強く引っ張る習慣によって起こる脱毛症の一種。
ヘアスタイルも頭皮にやさしいものを選ぶことが、美髪への第一歩です。
髪に必要な栄養素を補う
髪の主成分は「ケラチン」と呼ばれるタンパク質です。
そのため、まずは十分なタンパク質を摂取することが、健やかな髪の成長には欠かせません。
加えて、鉄分や亜鉛、ビタミンB群などの栄養素も、毛母細胞の分裂や血流に関与しており、不足すると髪が細くなったり、抜けやすくなる原因となることが知られています18。
とくに女性は、月経やダイエットの影響で鉄分が不足しがちなため、意識的な摂取が必要です。
食事だけで補いきれない場合は、栄養バランスを整えるために、サプリメントの活用も検討してみましょう。
ビタミンやミネラルが配合された製品は、髪の健康を内側から支えてくれます。
やってはいけないNG行動に注意
セルフケアのつもりで、逆効果になってしまう行動もあるため注意が必要です。
たとえば、頭皮をゴシゴシと強くこするようなシャンプーは、皮膚を傷つけて炎症を引き起こす可能性があります。
やさしく指の腹でマッサージするように洗うことを心がけましょう19。
また、過度なダイエットや偏った食生活は栄養不足を招き、髪にも悪影響が出ます。
40代女性の抜け毛・FAGAに関するよくある質問(Q&A)
症状や原因についてのよくある質問
FAGAは放っておくとどうなりますか?
FAGA(女性男性型脱毛症)は進行性の脱毛症です。
放置すると、徐々に毛髪が細くなり、頭頂部を中心に全体的なボリュームが減っていきます。
自然に元の状態に戻ることはほとんどなく、早期に対策を始めることで進行を遅らせることが可能です。
更年期の抜け毛は自然に治りますか?
更年期によるホルモンバランスの変化が原因の抜け毛は、一時的に改善する場合もありますが、FAGAと重なることが多いため自然に回復しないこともあります。
特にエストロゲンの低下による影響は徐々に進むため、気になる場合は専門の医師に相談するのが安心です。
抜け毛が一時的か、FAGAかの見分け方はありますか?
季節性や一時的なストレスによる抜け毛は数週間〜2ヶ月ほどで自然に落ち着くことが多いですが、FAGAは徐々に進行し、毛が細くなる・分け目が目立つなどの特徴があります。
見分けが難しい場合もあるため、数ヶ月続く場合や不安がある場合は、医師の診察を受けて判断してもらうのが確実です。
40代以降、急に抜け毛が増えるのはなぜですか?
40代以降はホルモンバランスの変化、加齢による代謝低下、ストレスや睡眠不足、栄養バランスの乱れなど、複数の要因が重なりやすくなります。
その結果、毛髪の成長サイクルが乱れ、抜け毛が急増するケースがあります。
頭皮のかゆみやフケも関係ありますか?
頭皮のかゆみやフケは、皮脂の過剰分泌や乾燥、シャンプーの刺激などが原因で起こり、それが慢性的になると炎症を起こし、毛根にダメージを与える可能性があります。
結果として、抜け毛の原因になることもあります20。
治療やケアについてのよくある質問
FAGAにはどんな治療法がありますか?
FAGAの治療には、大きく分けて内服薬・外用薬・注入療法(メソセラピー)があります。
代表的な内服薬には「パントガール」 「スピロノラクトン」 「ミノキシジルタブレット」などがあり、外用薬としてはミノキシジル外用薬(女性用ロゲイン等)が用いられます。
さらに、幹細胞培養上清液やPRPを使った注入療法も、美容医療の分野で広く取り入れられています。
内服薬や外用薬に副作用はありますか?
はい、副作用の可能性はあります。
たとえば、ミノキシジルの内服薬ではむくみや動悸、体毛の増加が報告されています。
外用薬では、頭皮のかぶれやかゆみが出ることがあります21。
また、スピロノラクトンでは月経不順や低血圧の報告もあります。
医師の管理のもと、正しく使用することが大切です22。
メソセラピーはどのくらいの頻度で行うのですか?
一般的には月に1回のペースで3〜6回程度行うのが基本とされています。
使用する薬剤や治療の目的によって回数や頻度には個人差があります。
幹細胞培養上清液やPRPを使用した治療では、回数を重ねることで効果を実感しやすくなる傾向があります。
育毛剤やサプリメントは併用してもいいですか?
併用は可能です。ただし、同じ有効成分が重複する場合は過剰摂取になる可能性もあるため、用法・用量や成分表示を確認しましょう。
とくにサプリメントは、鉄や亜鉛、ビタミンB群などの栄養素を補うもので、育毛剤と併用しても問題はありませんが、目的や効果をよく理解して選ぶことが重要です。
セルフケアだけで改善することもありますか?
生活習慣の改善や栄養補給、頭皮ケアによって、抜け毛の進行をある程度防げる場合もあります。
ただし、FAGAは進行性の脱毛症であるため、セルフケアだけでは十分な改善が見込めないことも多いです。
早めに医師に相談することで、より効果的な対応が可能になります。
費用や通院についてのよくある質問
治療費はどのくらいかかりますか?
治療内容によって大きく異なりますが、以下が目安です。
治療法 | 費用の目安 |
---|---|
内服薬 (パントガールなど) | 1ヶ月あたり約8,000円〜15,000円、継続が必要 |
外用薬 (ミノキシジルなど) | 1ヶ月あたり約5,000円〜8,000円、継続が必要 |
注入療法 (幹細胞培養上清液・PRP) | 1回あたり約10万〜15万円、3〜6回の施術が一般的 |
※治療法の組み合わせやクリニックの方針により、トータル費用は異なります。
保険は使えますか?自由診療との違いは?
FAGAは病気ではなく加齢などによる自然な変化とみなされるため、保険適用外の自由診療となります。
そのため治療費は全額自己負担になります。
一方、医療機関で処方される薬は医師の管理下で安全に使えるメリットがあり、市販薬とは異なる有効成分や濃度の調整が可能です。
通院はどのくらいのペースですか?
治療の種類によって異なりますが、一般的には以下のようなペースで通院する方が多いです。
内服薬・外用薬:初回以降は月1回程度の受診が一般的
注入療法:月1回ペースで、3〜6回の施術を行うことが多い
症状の進行度や反応を見ながら、医師が通院頻度を調整しながら治療を行っていきます。
何回の治療で効果は出ますか?
個人差はありますが、一般的には4ヶ月〜6ヶ月程度で効果を実感する方が多いとされています。
特に注入療法は複数回の施術によって徐々に効果が現れるため、即効性よりも継続がカギとなります23。
途中でやめた場合、元に戻ってしまいますか?
治療を中止すると、徐々に元の状態に戻ることがあります。
特にミノキシジル外用薬などは使用をやめると、数ヶ月以内に効果が薄れていくことが報告されています24。
維持したい場合は、医師の指導のもと、継続または段階的な見直しが重要です。
クリニックに通うことへの不安や疑問
女性が薄毛治療のクリニックに通うのは恥ずかしくないですか?
薄毛に悩む女性は年々増えており、誰かに見られるのが不安という声に配慮した環境が整っているため、安心して相談できる場所が増えています。
当院では完全予約制・完全個室でプライバシーに配慮し、女性でも安心して治療を受けられる環境となっています。
家族やパートナーに知られずに通うことはできますか?
多くのクリニックでは、通院の際のプライバシーに配慮しており、予約時に「家族に知られたくない」と伝えることで、連絡手段の工夫など柔軟に対応してもらえます。
クリニックに相談だけで予約しても大丈夫ですか?
もちろん、大丈夫です。
初回は「カウンセリングのみ」として予約できるところも多く、診察を受けたうえで治療を始めるかを決められます。
無理な勧誘がないクリニックを選ぶと、より安心です。
男性患者と同じ空間になるのが不安です。
不安を感じる場合は、女性専用フロアや完全個室制を設けているクリニックを選びましょう。
事前に問い合わせて確認するのがおすすめです。
当院では完全予約制・完全個室のため、女性でも安心して治療を受けられる環境が整っています。
40代からの薄毛・FAGA対策は、知ること・選ぶこと・続けることが大切
40代を迎えると、ホルモンバランスの変化や加齢の影響で、抜け毛や髪のボリュームの減少を感じ始める方が少なくありません。
とくに「FAGA(女性男性型脱毛症)」や「更年期による脱毛」は、自然に回復しにくいタイプの脱毛とされており、早めの対処が重要です。
とはいえ、すぐに治療を始めるのが正解とは限りません。
まずは「自分の状態を知ること」。
そして、「自分に合った選択肢を持つこと」が大切です。
治療法には、内服薬や外用薬、注入療法などさまざまな種類がありますが、それぞれにメリット・デメリットがあり、ライフスタイルや体質によっても相性は異なります。
また、治療と並行して、生活習慣やヘアケアの見直しも、髪の健康を支える重要なポイントです。
焦らず、自分に合ったペースで、髪との向き合い方を見つけていきましょう。
参考文献
- 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版。
- 公益社団法人日本毛髪科学協会『改訂版 ヘアサイエンス』(2023年)41ページ。
- 株式会社医学出版『美容皮膚医学BEAUTY』2022年3月40号 45ページ。
- 公益社団法人日本毛髪科学協会『改訂版 ヘアサイエンス』(2023年)81,82ページ
- 株式会社医学出版『美容皮膚医学BEAUTY』2022年3月40号 49ページ。
- 文献2025年3月改訂(第2版)*2023年3月改訂(第1版)抗アルドステロン性利尿・降圧剤 日本薬局方スピロノラクトン錠 添付文書。
- 2016年8月改訂.パントガール®パンフレット.(Merz Pharmaceuticals GmbH(メルツ・ファーマシューティカルズ社))
- 2016年8月改訂.パントガール®パンフレット.(Merz Pharmaceuticals GmbH(メルツ・ファーマシューティカルズ社))
- 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版。
- 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版。
- 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版。
- 2021年4月作成(第1版) 壮年性脱毛症における発毛剤 女性薬ミノキシジル配合外用液1%「FCI」富士化学工業株式会社 添付文書。
- 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版。
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- 上田実「改訂版 驚異の再生医療~培養上清が世界を救う~」(株式会社扶桑社 2022年)114ページ。
- 公益社団法人日本毛髪科学協会『改訂版 ヘアサイエンス』(2023年)41ページ
- 板見智・宮地良樹『髪の悩みに応える皮膚科診療-毛髪最前線-』(株式会社南山堂、2006年)78ページ。
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- 板見智・宮地良樹『髪の悩みに応える皮膚科診療-毛髪最前線-』(株式会社南山堂、2006年)175,176ページ。
- 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版。
- 2025年3月改訂(第2版)*2023年3月改訂(第1版)抗アルドステロン性利尿・降圧剤 日本薬局方スピロノラクトン錠 添付文書。
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