HOMEコラムフィナステリド(プロペシア)で起こりうる副作用|臨床試験での発症確率は1.6%

フィナステリド(プロペシア)で起こりうる副作用|臨床試験での発症確率は1.6%

「フィナステリドって本当に大丈夫?副作用が怖くて始められない…」

AGA治療を検討する方の中には、こんな不安を抱えている方が少なくありません。

実際に、「薬を飲み始めたら性欲がなくなった」「気分が落ち込んでしまった」など、副作用にまつわる口コミを目にして、治療をためらうケースも見られます。

AGA(男性型脱毛症)の治療は、見た目だけでなく、ホルモンバランスに関わるセンシティブな分野です。

だからこそ、「安全に効果を得るためには、正しい知識と医師の判断が不可欠」だということを、まず理解しておく必要があります。

とくに、フィナステリド(プロペシア)はAGA治療薬として広く使われている一方、性機能や気分の変化、肝機能への影響といった副作用がごく一部で報告されています。

こうしたリスクを必要以上に怖がる必要はありませんが、「なぜ副作用が起こるのか」「どうすればリスクを減らせるのか」を知っておくことで、安心して治療に取り組むことができます。

この記事では、フィナステリドの仕組みや効果、副作用の原因とその対策、さらには薬が合わなかった場合の代替治療についてもわかりやすく解説しています。

どの治療を選ぶかで、未来の髪も気持ちも大きく変わるからこそ、「自分に合った正しい選択」ができるよう、ぜひ最後までお読みください。

フィナステリド(プロペシア)とは?|薄毛改善の仕組みと特徴

「最近、生え際や頭頂部のボリュームが減ってきたかも…」

そんな不安を抱える方にとって、薄毛の進行を防ぐ内服薬「フィナステリド(プロペシア)」は、信頼できる治療の選択肢のひとつです。

この章では、フィナステリドがどのような仕組みで効果を発揮するのか、そしてなぜ多くのAGA治療で選ばれているのかを、医学的根拠に基づいてやさしく解説していきます。

フィナステリド(プロペシア)の作用と効果

フィナステリドが薄毛治療で注目されている最大の理由は、「DHT(ジヒドロテストステロン)」というホルモンの働きを抑えることです1

DHTは、もともと体内にあるテストステロンという男性ホルモンが、「5α還元酵素Ⅱ型」という酵素の働きによって変換されて生じます2

テストステロンは、筋肉や骨の成長、性機能の維持などに重要な役割を果たすホルモンですが、DHTに変わると前頭部や頭頂部の毛根に悪影響を与え、薄毛を進行させてしまうのです。

このDHTが頭皮の毛根に影響すると、髪が成長しにくくなり、太く長く育つはずの毛が、細くて短いまま抜けてしまいます。

こうした状態が続くことで、髪が全体的に少なく見えるようになります3

フィナステリドは、DHTを作り出す酵素だけに働きかけて、必要以上にDHTが作られないようにするお薬です4

※イメージ図。文章に合わせて作成依頼※

また、女性ホルモンなど他のホルモンには作用しないため、体全体のホルモンバランスを大きく変える心配が少ない点も特長とされています5

なぜAGA治療薬に選ばれるのか

AGA(男性型脱毛症)は、放っておくと徐々に進行していく病気です。

だからこそ、「進行を止める」ことが治療の大きな目的になります。

フィナステリドは、DHTの産生を抑えることで、「抜け毛を減らす」「髪を太く保つ」といった効果が期待でき、初期〜中等度のAGAに対して高い有効性が示されています6

たとえば、日本人男性414名を対象とした48週間の臨床試験では、1日1mgのフィナステリドを服用したグループの58.3%が「軽度改善以上」と評価されました7

さらに、2年間の継続服用では68%、3年間では78%の人が改善を実感しており8効果が時間とともに高まることも大きな特長です。

このように、進行性の脱毛に対して「止める力」と「保つ力」の両方が期待できるフィナステリドは、現在も多くのクリニックで第一選択薬として使われています。

フィナステリド(プロペシア)で報告されている主な副作用

「副作用が心配で、治療に踏み切れない…」

そんな不安を感じている方も少なくないのではないでしょうか。

フィナステリドは、比較的安全性の高い薬とされていますが、ごく一部の人に副作用が現れることがあります。

以下に、添付文書で報告されている代表的な副作用をまとめました。

心配な症状があれば、早めに医師へ相談することが大切です9

副作用の種類症状その他(頻度など)
性機能障害性欲の減退、勃起機能の低下、射精障害など一部は中止後も持続するケースあり
肝機能障害AST・ALT・γ-GTPの上昇など頻度は明記されていないが「重大な副作用」に分類
精神症状抑うつ症状、めまいなどまれに自殺念慮が報告されており、注意喚起あり
アレルギー反応発疹、かゆみ、蕁麻疹、血管浮腫(唇・舌・喉の腫れなど)頻度不明。発現時はすぐに医師の診察を
消化器症状腹痛、下痢など頻度は記載なし
乳房の異常乳房の圧痛、肥大などごくまれに男性乳がんの報告もあり

フィナステリドの副作用はごく一部の人に限られますが、体質や体調によって出やすさは異なります。

副作用が不安なときは、自己判断せず医師と相談しながら治療を進めるのが安心です。

副作用が起きる理由とリスクを下げる方法

フィナステリド(プロペシア)はホルモンに作用する薬であるため、ごく一部の方に副作用が現れることがあります。

ですが、その原因や発症頻度、そしてリスクを下げるための対策を知っておくことで、安心して治療に取り組むことができます。

ここでは、副作用が起こる理由とその仕組み、そしてリスクをできるだけ避けるための具体的な方法を解説します。

副作用が発生するのはホルモンバランスの変化が原因

「どうして副作用が出るの?」

その答えの一つが、「体内のホルモンバランスの変化」です。

フィナステリドは、テストステロンという男性ホルモンを、より強力なDHT(ジヒドロテストステロン)に変換する「5α還元酵素Ⅱ型」の働きをブロックする薬です。

この作用によって、DHTが過剰に作られるのを防ぎ、脱毛の進行を抑える効果が得られます10

しかし、このホルモンの働きに介入することで、まれに性機能や精神状態、皮膚・消化器などに変化が現れることがあります。

特に、体がホルモンの変化に敏感な人ほど、副作用を感じやすくなる傾向があります。

副作用が出たからといって全ての人に重篤な影響があるわけではありませんが、自分の体調や変化をよく観察することが大切です。

副作用の発生頻度は約5%未満

実際に副作用がどれくらいの頻度で起こるのか、数字で見てみましょう。

国内の長期試験(96週間)では、1mgを服用した124名中2名(約1.6%)に副作用が見られたと報告されています11

なお、こうした副作用はあくまで一部の方に見られるものであり、「必ず起こる」というわけではありません

添付文書に記載されている主な副作用の頻度は以下の通りです12

フィナステリドの主な副作用の頻度

性欲減退や勃起機能の低下:1〜5%未満

抑うつ症状、乳房の圧痛・肥大:頻度不明

肝機能障害:まれだが重大な副作用に分類

このように、発症率は決して高くはありませんが、万一の際は早めに対処することが大切です。

副作用リスクを減らすためにできること

「できるだけ副作用を避けたい」

そんな気持ちは、誰もが持っているものだと思います。

フィナステリドの副作用を防ぐために大切なのは、「正しく飲むこと」と「体調の変化にすぐ気づけること」です。
この薬は、1日1回、決まった時間に継続して服用することで効果を発揮します。

飲み忘れを防ぐためにも、毎日の習慣の中に取り入れると続けやすいでしょう13

また、服用中は体調や気分の変化に注意し、自分の体に合っているかを観察しましょう。

もし少しでも「おかしいな?」と感じたら、自己判断で薬を中止せず、医師に相談してください。

早めに対応することで、大きな問題に発展するのを防ぐことができます。

このように、基本的な服用ルールと体調管理を守ることで、フィナステリドの治療効果を保ちながら、安全に続けることができるはずです。

服用中に副作用が心配になったら|正しい対応方法

フィナステリドは比較的安全性の高い薬とされていますが、服用中に体調や気分の変化を感じた場合、どう対応すればよいのか迷う方も多いのではないでしょうか。

副作用を必要以上に怖がることなく、冷静に対応できるよう、判断の目安や治療の選択肢について知っておくことが大切です。

副作用が心配・違和感を感じたらどうする?

もし服用中に違和感や気になる症状が出てきたら、まず一人で判断せず、かかりつけの医師に相談してください。

特に、性機能や気分の変化、肝機能に関する異常、皮膚症状などは、自分では判断がつきにくいものです。

添付文書でも、「異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと」と明記されています14

軽い症状でも遠慮せずに相談することで、必要に応じて薬の量を調整したり、別の治療法を選んだりといった選択がしやすくなります。

副作用を感じたときの服用継続・中止の判断基準

副作用が出たときに薬を続けるべきか、やめるべきかは、

「どんな症状か」、「どれくらい続くか」

によって異なります。

たとえば、一時的な軽い不調であれば経過観察となることもありますが、発疹やかゆみ、抑うつ症状、肝機能異常などが見られた場合は、早めの対応が必要です15

症状が強く出ていたり、日常生活に支障があるような場合は、無理に我慢せず、医師と相談のうえで休薬や他の治療法への切り替えを検討しましょう。

他の治療法へ切り替える3つの選択肢

副作用などの理由でフィナステリドの継続が難しい場合も、他の治療法があります。

選択肢① デュタステリド(ザガーロ)など別の内服薬に変更

デュタステリドは、フィナステリドと同様に5α還元酵素を抑える内服薬ですが、Ⅰ型・Ⅱ型の両方をブロックするため、効果がやや強いとされています16

ただし、副作用の種類や発生頻度に違いがあるため、体質に合うかどうかを見極めることが大切です。

選択肢② ミノキシジル外用薬(塗り薬)を使用

外用タイプのミノキシジルは、血行を促進し、髪の毛の成長をサポートする治療薬です。

副作用が出にくく、ガイドラインでも推奨されています17

選択肢③ 薬を使わない注入療法

薬を使わず、幹細胞培養上清液や頭皮に成長因子などを注入して髪の再生を促す治療法もあります。

なかでも、PRP療法や幹細胞培養上清液を用いた再生医療は、副作用が出にくく、薬が合わなかった方やナチュラル志向の方にも選ばれています。

ただし、現時点ではすべての効果が科学的に確立されているわけではなく、自由診療にあたる治療が多いことから、クリニックの実績や医師の専門性をよく確認したうえで検討することが大切です。

デュタステリド(ザガーロ)ミノキシジル外用薬成長因子注入・再生医療
内容・フィナステリドより広くDHTを抑制
・Ⅰ型・Ⅱ型両方に作用
・血流を促進し、髪の成長をサポートする塗り薬・PRPや幹細胞培養上清液などを頭皮に注入し、髪の成長環境を整える
メリット・効果が高い
・進行したAGAにも適応しやすい
・副作用が少なく、自宅で使える
・男女ともに使用可
・薬を使わなくていい
・副作用が少ない
デメリット・フィナステリドより副作用の頻度がやや高い傾向・効果が出るまでに時間がかかる
・かゆみ・発疹などの皮膚トラブルの可能性あり
・自由診療になる
・研究段階の部分もあり、医療機関選びが重要

参考文献:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版。18

どの治療法にもメリット・デメリットがありますが、副作用の有無だけでなく、ライフスタイルや重視したいポイントに合わせて選ぶことが大切です。

特に注入治療や再生医療は医療機関によって内容や技術力に差があるため、専門性や実績のあるクリニックで相談すると安心です。

中止後にまれに起こる症状「PFS(ポスト・フィナステリド症候群)」とは?

フィナステリドは、基本的には安全性の高いAGA治療薬ですが、ごくまれに「薬をやめたあとにも症状が続く」と感じる方もいます。

こうした症状は「PFS(ポスト・フィナステリド症候群)」と呼ばれ、性欲の低下や気分の落ち込みなどが、数か月〜数年にわたって続いたという声もあるようです19

たとえば、性欲の減退・勃起機能の低下・抑うつ感・不眠・集中力の低下など、人によって異なる症状がみられることがあります。

国内のプロペシア添付文書でも、「中止後に性機能障害などが持続した」との報告があると記載されていますが、どれくらいの頻度で起こるかは明らかになってないうえ、PFSの原因はまだよくわかっていません。

いくつかの研究では、ホルモンバランスの変化や神経系・心理的な要因など、複数の仕組みが関係しているのではないかと考えられています20

もし薬をやめたあとに気になる症状が続くようであれば、ひとりで抱え込まず、かかりつけの医師に相談してみてください。

泌尿器科や心療内科など、体と心の両方に対応できる診療科でサポートを受けることもできます。

不安になりすぎる必要はありませんが、「気になったら相談する」ことで、安心につながる一歩になるかもしれません。

フィナステリド(プロペシア)とデュタステリド(ザガーロ)の違い|効果・副作用を比較

AGA治療薬には、フィナステリド(プロペシア)とデュタステリド(ザガーロ)の2種類の内服薬があります。

どちらも、薄毛の原因物質とされる「DHT(ジヒドロテストステロン)」の生成を抑えることで、毛髪の成長をサポートします。

しかし、それぞれに特徴や作用の範囲、副作用のリスクが異なります。

以下の比較表で、違いをわかりやすく整理してみましょう。


フィナステリド(プロペシア)デュタステリド(ザガーロ)
作用の範囲主に頭皮の男性ホルモン(DHT)の発生を抑える ※1頭皮だけでなく、体全体のDHTも強力に抑える ※1
効果の特徴AGAの進行をゆるやかにし、現状態を維持しながら、使用実績が長く安心感がある ※2フィナステリドよりやや強い発毛効果が期待され、進行したAGAにも効果が見られることがある ※3
副作用の傾向性欲減退やEDなどの性機能に関する副作用は比較的少ない ※2同様の副作用がやや出やすい傾向があり、慎重に経過を観察する必要がある ※3
使用の歴史長く使われており、医師の経験値やデータが豊富比較的新しい薬だが、実績も増えてきており注目されている治療薬
女性・妊婦への使用男子胎児の発育に影響を与えるおそれがあるため、女性には使用できない(皮膚接触にも注意)※1同様に妊婦・女性には禁忌。服用者の家族やパートナーの配慮も必要 ※1

※1:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版21
※2:2023年8月改訂(第4版)*2023年6月改訂(第3版) 5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬◎男性型脱毛症用薬◎ フィナステリド錠添付文書22
※3:2021年8月改訂(第1版) 5α還元酵素1型/2型阻害薬 男性型脱毛症治療薬 デュタステリドカプセル添付文書23

どちらを選ぶべきか

「効果が強い方がいい」 「副作用が少ない方が安心」

そう考えるのは自然なことです。

ですが、治療薬は自分の体質やライフスタイルなど、重視したいポイントによって選ぶことが大切です。

たとえば、副作用が心配な方にはフィナステリドの方が合っているかもしれませんし、しっかり効果を感じたい方にはデュタステリドが選ばれることもあります。

実際に治療を始める際は、信頼できる医師と相談しながら、自分に合った薬を一緒に選んでいくのがベストです。

フィナステリド(プロペシア)は妊婦・女性が触れてはいけない理由

フィナステリドはAGA治療に効果がある一方で、女性・特に妊娠中の女性には絶対に使用してはいけない薬です。

なぜそこまで注意が必要なのか、以下の3つのポイントに分けてご紹介します。

フィナステリド(プロペシア)の成分が胎児に与える影響について

フィナステリドは、男性ホルモンの一種「DHT(ジヒドロテストステロン)」の働きを抑える薬です。

しかしこの作用が、胎児(特に男子胎児)の正常な発育に悪影響を及ぼすおそれがあることが知られています。

妊娠中の女性がフィナステリドを服用してしまった場合、男子胎児の外性器(陰茎や陰嚢など)の形成が妨げられる可能性があるため、妊婦には絶対に使用できません24

薬に触れただけでも注意が必要

さらに注意が必要なのは、「服用しなくても、触れるだけで危険がある」という点です。

添付文書にも、「妊婦または妊娠している可能性のある女性は、錠剤が破損している場合は触れないように」と注意喚起されています25

これは、薬の成分が皮膚から吸収される可能性があるためです。

特に、錠剤が割れたり粉砕された状態だと吸収リスクが高まるため、妊婦さんの近くでの取り扱いにも十分注意が必要です。

万が一触れてしまった場合の対応

妊娠中の女性が誤ってフィナステリドに触れてしまった場合は、すぐに石けんと水で丁寧に手を洗うことが大切です。

そして念のため、速やかに医師に相談してください。

触れただけで重大な影響があるとは限りませんが、胎児へのリスクを完全に否定できるわけではないため、慎重な対応が求められます。

フィナステリドは男性用の治療薬であり、妊婦や女性には使用・接触ともに禁忌とされています。

万が一、触れてしまった場合でも慌てず、早めに医師に相談することが大切です。

フィナステリドを服用する際に気をつけたい4つのポイント

フィナステリドを安全に、そして効果的に使うためには、毎日の服用で気をつけておきたいポイントがあります。

以下の4つを意識するだけで、トラブルの予防や治療の継続がぐっとラクになります。

①毎日同じ時間帯に服用する

フィナステリドは、1日1回・継続的に服用することで効果を発揮する薬です26

決まった時間に飲むことで、血中濃度が安定し、効果が出やすくなります

飲み忘れを防ぐためにも、朝食後や就寝前など、自分の生活リズムの中に組み込むのがおすすめです。

②飲み合わせに注意する薬

基本的に、フィナステリドは大きな飲み合わせの制限は少ない薬です。

ただし、肝機能に影響を与える薬や、他のホルモン系の薬を服用している場合は、事前に医師に伝えておくと安心です27

健康食品やサプリメントとの併用についても、気になる場合は医師に確認しましょう。

③お酒は適量なら問題ないが、過度の飲酒は控える

フィナステリドは肝臓で代謝される薬のため、過度な飲酒は薬の効き方に影響する可能性があります。

適量の飲酒であれば特に問題ないとされていますが、お酒をよく飲む方は量に注意し、心配な場合は医師に相談しましょう。

④個人輸入品・ネット購入品には注意

フィナステリドは、医療機関で処方される薬ですが、ネットなどで個人輸入品として購入できる場合もあります。

しかし、個人輸入品は成分や効果、安全性が保証されていないものも多く、偽物のリスクもあるため非常に危険です。

正規の医療機関で処方された薬を使うことで、もしもの時も安心して医師に相談できます。

副作用に関するよくある質問Q&A

フィナステリドを服用するうえで気になる「副作用」に関する疑問について、よくある質問を簡潔にまとめました。

不安になりすぎず、正しい情報を知ることが安心につながります。

副作用に関する基本的な疑問

フィナステリド(プロペシア)の副作用はいつ頃から出やすいですか?

個人差はありますが、服用を始めて1〜3ヶ月の間に副作用が出るケースが多いようです。

実際に行われた国内の試験でも、飲み始めてから3ヶ月以降の時点で副作用の有無が確認されています28

なお、添付文書には副作用が出る時期についての明確な記載はありませんが、体調の変化には早めに気づけるよう意識しておくと安心です。

副作用が出た場合、服用を続けてもいいですか?

副作用が出た場合は、症状の強さや種類によって対応が変わります。

軽い不調なら様子を見ることもありますが、強い症状や気になる変化があれば、服用をやめる前に必ず医師に相談してください29

副作用が出ない人もいますか?

すべての人に副作用が出るわけではなく、出ない方も多くいらっしゃいます。

臨床試験でも、性機能に関する副作用は発症率1~5%未満とされており、問題なく服用を続けている方も多いようです30

フィナステリド(プロペシア)の服用を中止すれば副作用は自然に回復しますか?

多くの場合、服用をやめると副作用は徐々に回復していくとされています。

ただし、まれに中止後も症状が続くことがあるため、不安がある場合は医師と相談しながら経過を見ることが大切です31

副作用が心配なときの対応

副作用が出たら減量してもいいですか?

フィナステリドは処方薬なので、副作用が気になるときは自己判断せず、医師に相談しましょう。

状況に応じて、服用量を調整することもあります。

フィナステリド(プロペシア)の副作用を防ぐためにできることはありますか?

副作用を完全に防ぐ方法はありませんが、正しい用法・用量を守り、体調の変化に早めに気づけるようにすることが大切です。

気になる症状があれば、無理せず医師に相談しましょう。

服用中の注意点

フィナステリド(プロペシア) を飲み忘れた場合はどうしたらいいですか?

飲み忘れに気づいたときは、その日の分だけを飲み、次回に2回分をまとめて飲むのは避けてください

継続的に飲むことが大切なので、忘れにくいタイミングを習慣化するのがおすすめです32

妊活中にフィナステリド(プロペシア) を服用しても大丈夫ですか?

妊活中の男性がフィナステリドを服用することは禁忌ではありませんが、精子の質に影響する可能性があるとの報告があります33

不安がある場合は、医師に相談しながら、外用薬や注入療法など他の治療法を検討することもできます。

ライフステージに合わせた治療の選び方ができるので、一人で悩まず、専門の医師に相談してみてください。

女性が誤って服用した場合はどうすればいいですか?

フィナステリドは、特に妊娠中の女性には使用も接触も禁じられており、服用してはいけません34

誤って服用した場合や皮膚からの吸収が心配な場合は、早めの相談が安心につながります。

まとめ|不安を抱えず、自分に合った治療選択を

フィナステリド(プロペシア)は、AGAの進行を抑える治療薬として広く使われていますが、体質によって副作用が出ることもあります。

不安を感じたときは、外用薬や注入治療など、他の方法に切り替えることもできます。

当院では、幹細胞培養上清液による注入治療のご相談も可能です。

無理せず、自分に合った方法を、医師と一緒に見つけていけると安心です。

気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

 

参考文献

  1. 2023年8月改訂(第4版)*2023年6月改訂(第3版) 5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬◎男性型脱毛症用薬◎ フィナステリド錠添付文書。
  2. 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版。
  3. 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版。
  4. 2023年8月改訂(第4版)*2023年6月改訂(第3版) 5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬◎男性型脱毛症用薬◎ フィナステリド錠添付文書。
  5. 2023年8月改訂(第4版)*2023年6月改訂(第3版) 5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬◎男性型脱毛症用薬◎ フィナステリド錠添付文書。
  6. 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版。
  7. 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版。
  8. 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版。
  9. 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版。
  10. 2023年8月改訂(第4版)*2023年6月改訂(第3版) 5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬◎男性型脱毛症用薬◎ フィナステリド錠添付文書。
  11. 2023年8月改訂(第4版)*2023年6月改訂(第3版) 5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬◎男性型脱毛症用薬◎ フィナステリド錠添付文書。
  12. 2023年8月改訂(第4版)*2023年6月改訂(第3版) 5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬◎男性型脱毛症用薬◎ フィナステリド錠添付文書。
  13. 2023年8月改訂(第4版)*2023年6月改訂(第3版) 5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬◎男性型脱毛症用薬◎ フィナステリド錠添付文書。
  14. 2023年8月改訂(第4版)*2023年6月改訂(第3版) 5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬◎男性型脱毛症用薬◎ フィナステリド錠添付文書。
  15. 2023年8月改訂(第4版)*2023年6月改訂(第3版) 5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬◎男性型脱毛症用薬◎ フィナステリド錠添付文書。
  16. 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版。
  17. 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版。
  18. 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版。
  19. Abdulmaged M Traish. “Post-finasteride syndrome: a surmountable challenge for clinicians.” National Library Of Medicine, 2019.11.30, https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32033719/ .Ana Francisca Junqueira Ribeiro Pereira ,Thaissa Oliveira de Almeida Coelho. “Post-finasteride syndrome.” National Library Of Medicine, 2020 Mar 25,https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7253896/ .
  20. Ana Francisca Junqueira Ribeiro Pereira ,Thaissa Oliveira de Almeida Coelho. “Post-finasteride syndrome.” National Library Of Medicine, 2020 Mar 25,https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7253896/ .
  21. ※1:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版。
  22. ※2:2023年8月改訂(第4版)*2023年6月改訂(第3版) 5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬◎男性型脱毛症用薬◎ フィナステリド錠添付文書。
  23. ※3:2021年8月改訂(第1版) 5α還元酵素1型/2型阻害薬 男性型脱毛症治療薬 デュタステリドカプセル添付文書。
  24. 2023年8月改訂(第4版)*2023年6月改訂(第3版) 5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬◎男性型脱毛症用薬◎ フィナステリド錠添付文書。
  25. 2023年8月改訂(第4版)*2023年6月改訂(第3版) 5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬◎男性型脱毛症用薬◎ フィナステリド錠添付文書。
  26. 2023年8月改訂(第4版)*2023年6月改訂(第3版) 5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬◎男性型脱毛症用薬◎ フィナステリド錠添付文書。
  27. 2023年8月改訂(第4版)*2023年6月改訂(第3版) 5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬◎男性型脱毛症用薬◎ フィナステリド錠添付文書。
  28. 2023年8月改訂(第4版)*2023年6月改訂(第3版) 5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬◎男性型脱毛症用薬◎ フィナステリド錠添付文書。
  29. 2023年8月改訂(第4版)*2023年6月改訂(第3版) 5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬◎男性型脱毛症用薬◎ フィナステリド錠添付文書。
  30. 2023年8月改訂(第4版)*2023年6月改訂(第3版) 5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬◎男性型脱毛症用薬◎ フィナステリド錠添付文書。
  31. 2023年8月改訂(第4版)*2023年6月改訂(第3版) 5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬◎男性型脱毛症用薬◎ フィナステリド錠添付文書。
  32. 2023年8月改訂(第4版)*2023年6月改訂(第3版) 5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬◎男性型脱毛症用薬◎ フィナステリド錠添付文書。
  33. 2023年8月改訂(第4版)*2023年6月改訂(第3版) 5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬◎男性型脱毛症用薬◎ フィナステリド錠添付文書。
  34. 2023年8月改訂(第4版)*2023年6月改訂(第3版) 5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬◎男性型脱毛症用薬◎ フィナステリド錠添付文書。