HOMEコラムAGA治療ミノキシジルを飲むと初期脱毛で髪がスカスカになるって本当?AGA治療の副作用について解説

ミノキシジルを飲むと初期脱毛で髪がスカスカになるって本当?AGA治療の副作用について解説

「治療を始めたら、逆に髪が抜け始めてショックだった」

「ネットで見た初期脱毛って本当に誰にでも起きてしまうの?」

そんな声を耳にすることが増えています。

実は、AGA(男性型脱毛症)の治療において、初期段階で抜け毛が一時的に増える“初期脱毛”は、よくある現象です。

しかしこの症状、事前に知識がないまま体験してしまうと、「治療が合っていないのでは?」「もっとひどくなるのでは?」と不安になり、中断してしまう方も少なくありません。

その背景には、「情報の誤解」や「相談先を間違えたこと」による判断ミスがあるケースが多く見られます。

SNSやネット上にはAGA治療の体験談や広告があふれていますが、それが自分に当てはまるとは限りません。

とくに初期脱毛は、薬剤の種類や体質、毛周期の状態によって大きく異なり、専門家の判断なしに語れるものではないのです。

誤った自己判断が、せっかくの治療効果を遠ざけてしまう――

そんな後悔をしないためにも、まずは「なぜ初期脱毛が起こるのか」「どう見極めればよいのか」を正しく知ることが大切です。

この記事では、初期脱毛の仕組みや治療薬ごとの違い、セルフケアの方法、さらに“初期脱毛が起こりにくい治療法”まで、わかりやすく解説します。

読み終える頃には、あなた自身が納得して治療の一歩を踏み出せる判断材料がきっと見つかるはずです。

※今すぐに初期脱毛がない治療を知りたい方は、「初期脱毛をともなわないAGA治療」のページからお進みください。

 

初期脱毛はAGA治療の初期段階で起こる脱毛のこと

「治療を始めたばかりなのに、抜け毛が増えてしまって不安」

そんな経験をしたことはありませんか?

AGA治療薬を使い始めた直後に見られる抜け毛の増加は、“新しい髪が生える前兆”として起こることもある“初期脱毛”という自然な反応です。

この現象は、古い毛が抜けて新しい毛が生える準備が進んでいるサインともいわれており、実際にミノキシジル外用薬の使用初期には「休止期脱毛※」がみられることがあると診療ガイドラインでも触れられています1

※休止期脱毛とは、毛髪の生え変わりサイクルの一環として、成長を終えた髪が自然に抜け落ちる現象のことです。

なお、「初期脱毛」という言葉は、医療の専門用語として明確に定義されているわけではありませんが、治療初期に抜け毛が一時的に増える現象として、一般的に使われることの多い表現です。

また、「どの部位に起こりやすいか」についても、医学的にくわしく説明されているわけではないものの、実際には生え際や頭頂部など、もともと薄毛の進行が気になっていた部分に変化を感じる方が多いようです。

このような変化は、治療のプロセスの一部として現れることもあります。

次の章では、この“初期脱毛”がなぜ起こるのか、その仕組みをくわしく見ていきましょう。

初期脱毛はなぜ起こるのか

初期脱毛は、治療薬によって毛周期(ヘアサイクル)が刺激を受け、一時的に古い髪が抜け落ちることが原因と考えられています。

見た目の変化に驚いて不安になる方もいますが、この現象は毛周期が再び動き出す過程で起こる自然な反応です。

実際に、髪にはどのようなサイクルがあるのか、その仕組みを次でくわしく見ていきましょう。

AGA治療と髪の成長サイクル

髪は「①成長期 → ②退行期 → ③休止期 → ④自然脱毛」というサイクルを繰り返しています。

この一連の流れを「毛周期(ヘアサイクル)」と呼びます。

ミノキシジルなどの治療薬は、休止期に入っていた毛を「成長期」へと押し上げる作用があります。

この切り替えのタイミングで、古い毛が一気に抜けるため、一時的に抜け毛が増えたように感じられるのです2

代表的なAGA治療薬はおもに3種類

AGA治療には、主に「フィナステリド」、「デュタステリド」、「ミノキシジル」の3種類の薬剤が使われています。

AGA治療は不安も多いからこそ、それぞれの薬の違いを知っておくことがとても大切です。

あなたにとって無理のない治療を選ぶためにも、まずは特徴や効果をしっかり押さえておきましょう。

フィナステリド(プロペシア)内服

フィナステリドは、男性ホルモンの一種であるテストステロンを、脱毛の原因となる「ジヒドロテストステロン(DHT)」に変換する酵素(II型5α還元酵素)を抑える薬です。

薄毛の進行を抑える効果があり、20歳以上の男性に対して使用が推奨されています。

主な副作用としては、性欲減退・勃起不全など性機能への影響が報告されていますが、頻度は比較的低めです。

フィナステリドは胎児(とくに男性胎児)の性器発達に悪影響を与える可能性があるため、女性、とくに妊娠中や妊娠の可能性がある方には使用できません。

そのため、日本皮膚科学会のガイドラインにも「女性には使用しないこと」と明確に記載されており、医療現場でも厳重に注意されています3

デュタステリド(ザガーロ)内服

デュタステリドは、フィナステリドと同様にDHTの生成を抑える薬で、I型およびII型の5α還元酵素の両方に作用します。

そのため、フィナステリドよりもDHTの抑制力が強いとされており、発毛効果にも優れている可能性があります。

副作用としては性機能障害(性欲減退・勃起不全など)の報告があり、フィナステリドと同様、女性や未成年への使用は推奨されていません4

ミノキシジル内服・外用

ミノキシジルは、血管を拡張し血流を促進することで毛包への栄養供給を改善し、毛髪の成長を促す薬です。

日本で承認されているのは外用薬のみで、1日2回の塗布が推奨されています。男女ともに使用できます。

男性には5%濃度の使用が一般的に推奨されている一方で、女性には1%濃度が使用されています5

一方、内服薬は降圧剤として開発された経緯があり、日本では未承認です。副作用として多毛症や動悸・むくみなどの報告があり、使用には慎重な判断が必要です6

初期脱毛の発生確率は17%~

初期脱毛はすべての人に起こるわけではありませんが、実際に経験する人も少なくありません。

海外の皮膚科学研究においては、ミノキシジル使用者の17〜55%が初期脱毛を経験すると報告されています。

この数値は、使用する濃度や体質、ヘアサイクルの状態によって個人差があると考えられます。

また、2%や5%濃度のミノキシジルを使用した患者のうち約17.5%が治療初期に脱毛を経験したという臨床報告もあります7

これらの情報からも、初期脱毛は比較的よく見られる反応といえるでしょう。

発生頻度や期間には個人差がありますが、多くの場合、一過性であり、治療を継続することで健康な髪の成長が期待できます。

薬剤ごとの初期脱毛のメカニズム

初期脱毛は、どの薬剤でも起こる可能性があるものの、その起こり方や頻度には違いがあります。

ここでは、各薬剤ごとの特徴を整理し、仕組みの違いについて見ていきましょう。

ミノキシジルの初期脱毛

ミノキシジルは、休止期の毛包を刺激して成長期へと移行させる作用があるとされています。

その過程で、今ある休止期の毛が一時的に抜け落ち、新しい髪の成長が始まる準備が進みます。

これが、いわゆる「初期脱毛」と呼ばれる現象です。

とくに外用薬では、使用開始から数週間〜1ヶ月程度で細く短い毛が多く抜けることがあり、不安に感じる方もいますが、これは新たな発毛のサイクルが始まっている証と考えられています8

フィナステリド・デュタステリドの初期脱毛

フィナステリドやデュタステリドは、ジヒドロテストステロン(DHT)の生成を抑制することで、脱毛の進行を防ぐ薬剤です。

これらの薬を服用し始めた初期にも、一時的に抜け毛が増えることがあります。

これは、DHTの影響で早期に休止期へ移行していた毛包が、治療によって本来のサイクルに戻る際に、一度抜け落ちることがあるためと考えられています。

ただし、ミノキシジルと比べると「初期脱毛」としての認識はやや曖昧で、頻度や発生メカニズムについての明確な医学的根拠はまだ十分に確立されていません。

初期脱毛が起こりやすい人

初期脱毛は必ず起こるものではありませんが、実際には特定の条件に当てはまる人で見られることが多いようです。

ここでは、治療経験者の傾向から「起こりやすいタイプ」とされている例をご紹介します。

AGAの進行が比較的早い・重度の人

AGAの進行が早かったり、すでに脱毛が広範囲(生え際と頭頂部の両方など)に及んでいる人は、とくに初期脱毛が目立ちやすいタイプです。

もともと多くの毛包が「細くなりながら休止期に近い状態」で溜まっているため、治療を始めたタイミングでそれらが一気に成長期へ切り替わり、古い休止期の毛がまとまって抜け落ちやすくなります。

その結果、シャンプー時や排水溝・枕元などで「いつもより明らかに本数が多い」と感じやすく、「治療で悪化したのでは?」と不安になりやすいのが特徴です。

しかし多くの場合は、弱っていた毛が入れ替わっている途中経過であり、その後に生えてくる髪のベースを整えている段階と考えられます。

睡眠不足などでヘアサイクルが乱れている人

睡眠不足や生活習慣の乱れは、ホルモンバランスや自律神経に影響し、毛周期が乱れる要因になることがあります。

治療によって毛周期が整う過程で、一時的に抜け毛が増える人もいるようです。

20代~30代の若年層の男性

若年層の男性は毛母細胞の活動が活発なことから、治療に対する反応も出やすく、毛周期の変化が表れやすい可能性があります。

その結果として、一時的な抜け毛を経験するケースも少なくないようです。

初期脱毛で見られる症状

初期脱毛が始まると、「なんだか最近抜け毛が多い気がする……」と不安になる方も多いのではないでしょうか。

実際に、治療の初期段階では以下のような症状が見られることがあります。心配しすぎず、経過を見守ることも大切です。

①シャンプー時、枕元、洗面所などでの抜け毛が増加

髪を洗うときや乾かすとき、枕元や洗面所に落ちている抜け毛が急に増えたと感じるケースが多く見られます。

とくに、これまであまり気にならなかった人ほど、その変化に驚くかもしれません。

②短くて細い毛が大量に抜ける

抜ける髪の多くは、産毛のような短くて細い毛です。

これは成長しきる前の髪が、毛周期の変化によって一旦抜け落ちている状態で、新たな成長に向けた準備ともいえます。

③脱毛部位が一時的に目立つようになる

治療の影響で一時的に髪の密度が減り、もともと薄かった部分がより目立つように感じることもあります。

とくに頭頂部や生え際など、気になる部位の変化に敏感になるかもしれません。

④髪全体のボリューム感が減ったように感じる

手ぐしをしたときやスタイリングをしたときに、「なんだかスカスカしている気がする」と感じることがあります。

ただし、これは一時的な変化であることが多く、髪が生え変わる過程のひとつです。

初期脱毛は治療開始から約2週間~4週間で始まる人が多い

「抜け毛が増えたかも」と感じるタイミングには個人差があります。

ここでは、初期脱毛の始まりから落ち着くまでの流れをみていきましょう。

初期脱毛で髪の毛はどのくらい抜ける?

初期脱毛で抜ける髪の量には個人差がありますが、1日に50〜100本程度が通常の範囲とされる中で、これを超えて1日に150本から300本の抜け毛が目立つケースもあります9

ただし、短くて細い髪の毛が中心に抜けるため、「産毛のような毛がよく抜ける」「太く長い毛ではない」という特徴があり、完全に脱毛するような心配は少ないとされています。

もっとも、毛周期のタイミングや体質によっては、一時的に太い毛や長い毛が抜けることもありますが、これは新しい髪が生えるための入れ替わりによる自然な現象です。

初期脱毛の期間は長くても3か月程度

一般的に初期脱毛は、治療を開始してから2〜4週間程度で始まり、数週間から長くても3か月程度で落ち着くといわれています。

この脱毛は一過性のもので、ヘアサイクルが成長期へ移行する過程で一時的に起こる自然な反応です10

初期脱毛が終わらない兆候と原因

治療を始めて数ヶ月経っても抜け毛が続いている場合、初期脱毛ではなく、ほかの原因が影響している可能性があります。

以下のような状態に心当たりがある方は、医師に相談することをおすすめします。

頭皮が炎症を起こしている

頭皮に赤みやかゆみ、湿疹などの炎症が見られる場合は、治療薬が過剰に作用していたり、刺激となって頭皮環境が悪化している可能性があります。

このような炎症が続くと、毛根にダメージが蓄積し、かえって抜け毛が増える原因になることもあります11

不規則な生活が続いている

睡眠不足やストレスが続くと、髪の成長を助けるホルモンの働きが弱まり、髪の生え変わるリズム(毛周期)が乱れてしまうことがあります。

とくに、夜にしっかり眠れていないと、髪の成長をサポートする「成長ホルモン」がうまく分泌されず、髪が細くなったり、抜けやすくなったりすることがあるのです。

また、ストレスがたまると「コルチゾール」というホルモンが増え、これも髪の健康に悪影響を与えるといわれています12

こうした状態が続くと、治療の効果が出にくくなったり、抜け毛が増える原因になることがあります。

AGA以外の脱毛症である(円形脱毛症、ストレス性脱毛症など)

治療を続けてもまったく改善が見られない、または斑状の脱毛や急激な抜け毛が見られる場合、AGAではない、ほかの脱毛症が隠れていることがあります。

たとえば円形脱毛症や甲状腺疾患による脱毛、ストレスによる脱毛症などは、別の治療アプローチが必要になります13

原因が異なれば必要な治療アプローチも変わります。

気になる症状が続く場合は、早めに医師へ相談し、頭皮や体の状態を一度しっかり確認してもらうことをおすすめします。

初期脱毛に効果的なセルフケア

初期脱毛は治療の一環として一時的に起こることが多いですが、日常生活の中でのセルフケアを意識することで、髪の健康をより良い方向へ導くことが期待できます。

とくに意識したいポイントを5つ紹介します。

洗髪方法の見直し、頭皮環境を整える

初期脱毛の時期は、頭皮への刺激を最小限に抑えることが大切です。

シャンプーはよく泡立ててから使い、指の腹でやさしく洗いましょう。

強くこすったり、熱すぎるお湯を使うのはNGです。

洗髪後はすぐにしっかり乾かすことで、頭皮の環境を清潔に保てます。

こうした基本的なケアの積み重ねが、髪の健康をサポートします。

バランスの取れた食事を心がける

髪の主成分であるケラチンはタンパク質から作られます。

そのため、肉や魚、大豆製品などの良質なタンパク質をしっかりと摂取することが大切です14

また、アミノ酸やビタミンB群、亜鉛、鉄分などの栄養素も髪の健康に関与しています。

これらの栄養素をバランスよく摂ることで、髪の成長をサポートすることが期待できます。

睡眠時間を確保する

睡眠中には、成長ホルモンが分泌され、細胞の修復や再生が行われます。

このホルモンは髪の成長にも関与しているため、質の良い睡眠を確保することが大切です。

とくに、深い眠りが得られるよう、就寝前のスマートフォンの使用を控えるなどの工夫をしてみましょう。

ストレスをためない

慢性的なストレスは、体内のホルモンバランスを崩し、髪の成長サイクルに影響を与えることがあります15

リラクゼーションや趣味の時間を持つなど、自分なりのストレス解消法を見つけることが、髪の健康にも良い影響を与えます。

喫煙を控える

喫煙は血管を収縮させ、頭皮への血流を低下させることがあります。

これにより、髪の成長に必要な栄養素や酸素が十分に供給されなくなる可能性があります。

髪の健康を考えると、禁煙を検討することも一つの方法です。

治療をやめるべき?それとも様子を見るべき?初期脱毛中の判断ポイント

初期脱毛は一時的な反応であることが多いですが、中には注意が必要なサインもあります。

自分の症状がどちらに当てはまるのか、具体的なチェックポイントを確認してみましょう。

様子を見ながら治療を続けてもよいケース

観察ポイント説明
治療開始から1〜2ヶ月以内の抜け毛初期脱毛は治療開始後2〜4週間ごろに一時的に起こることがあります。※1
抜ける毛が細くて短い産毛のような毛が抜けている場合は、成長期への移行が始まっているサインかもしれません。※2
頭皮に炎症がない発疹・赤み・かゆみなどがなければ、継続して様子を見てもよい場合があります。※3
体調やメンタルに異常がない動悸やめまい、気分の落ち込みなどがなければ、経過を見ながら治療を続けられる可能性があります。※4

※1 Baltazar Sanabria, MDa ∙ Tamara de Nardo Vanzela, MDb ∙ Hélio Amante Miot, MD, PhDc ∙ Paulo Müller Ramos, MD, PhD. “Adverse effects of low-dose oral minoxidil for androgenetic alopecia in 435 patients.” Journal of the American Academy of Dermatology, April 2021,https://www.jaad.org/article/S0190-9622(20)33074-7/fulltext.
※2,3,4 壮年性脱毛症における発毛剤 ミノキシジル配合外用液5%「FCI」富士化学工業株式会社 添付文書。

注意が必要なケース

観察ポイント説明
抜け毛が3ヶ月以上続く一般的な初期脱毛の期間を超えている場合は、医師の診察を受けることをおすすめします。※5
頭皮に赤み・かゆみ・ただれなどがある使用薬が合っていない可能性があり、炎症を伴う場合は中止や変更を検討しましょう。※6
気分の落ち込み・不調がある治療薬による全身症状の可能性もあるため、無理せず相談を。
動悸・めまい・吐き気などの体調不良がある副作用の可能性があるため、ただちに医師に相談することが推奨されます。※7

※5,6,7 壮年性脱毛症における発毛剤 ミノキシジル配合外用液5%「FCI」富士化学工業株式会社 添付文書。

AGA進行との見分け方のヒント

初期脱毛とAGAの進行は、一見するとよく似ているため、「もしかして悪化してる?」と不安になる方も少なくありません。

そこでここでは、初期脱毛か、それともAGAの進行かを見分けるための目安を表にまとめました。

項目初期脱毛AGA進行
タイミング治療開始から1〜2ヶ月後徐々に進行、特に治療なしで進む
抜け毛の種類細くて短い毛太く長い毛も抜けることがある
抜け毛の期間一時的(2〜3ヶ月)長期にわたって続く
脱毛部位既存の薄毛部分が目立つように感じる薄毛が広がる・濃淡の変化

自身の症状と照らし合わせながら、判断の参考にしてみてください。

初期脱毛は、見た目の変化に戸惑うこともありますが、正しく理解すれば心配しすぎる必要はありません。

「これって大丈夫?」と不安なときは、どうかひとりで抱え込まず、医師に相談するのがおすすめです。

当院でも、初期脱毛のご相談を承っていますので、お気軽にご相談いただければと思います。

初期脱毛をともなわないAGA治療もあります

「薬を飲み続けているのに変化がない」
「初期脱毛がつらくて続けられない」

そんな不安を感じている方も少なくありません。

薄毛治療は、続けることで効果を発揮しますが、治療の内容や体質によっては、思うような結果が出にくい場合もあります。

そんな方に注目されているのが、再生医療による頭皮注入治療(メソセラピー)です。

毛髪再生医療による注入治療とは、成長因子などの発毛・育毛の効果が期待できる成分を直接頭皮に注入する治療法です。

薄毛が気になる部位に対して成長因子を直接注入するため、体毛の増加を気にせず髪を成長させられます。

注入する薬剤は幹細胞培養上清液という、「毛を太くする」「毛を増やす」「成長スピードを上げる」といった発毛作用が確認されている治療です。

幹細胞とは、「さまざまな細胞に変化する力」「自分自身を増やす力」を持った特別な細胞です。

その働きを利用して、髪を生やすための環境を整えるのが、幹細胞を活用した毛髪再生医療です。

この治療では、幹細胞そのものではなく、幹細胞を育てる過程で分泌される「幹細胞培養上清液(ばいようじょうせいえき)」という上澄み液を使用するのが一般的です。

海外の臨床研究では、この幹細胞上清液を頭皮に用いることで、毛の本数や太さが増える・抜け毛が減るといった結果が複数報告されており、発毛・育毛を後押しする新しい選択肢として注目されています。

  • 幹細胞上清液による発毛効果を示す研究

    幹細胞由来エクソソームを使ったヒト臨床研究11本・計298名 を解析した報告では、多くの試験で毛の本数・太さの増加と、重篤な副作用がないことが示されています。

    参考文献:Al Ameer S, Al-Zahrani N, Al-Mutairi B, Al-Mubarak L, AlSheikh M, Alkhalifa A, et al.
    Exosomes and hair regeneration: A systematic review of the current clinical evidence.
    Clinical, Cosmetic and Investigational Dermatology. 2025;18:45-60.

    とくに軽度〜中等度の薄毛に悩む男女30名(33〜55歳、平均46.9歳)を対象に、幹細胞上清液を配合したローションを頭頂部へ塗布した試験では、毛の本数が約14%増加、太さが約28%増加、伸びるスピードが約20%上昇したことがわかったうえ、副作用も報告されませんでした。

    参考文献:Oh HA, Kwak J, Kim BJ, Jin HJ, Park WS, Choi SJ, Oh W, Um S. Migration Inhibitory Factor in Conditioned Medium from Human Umbilical Cord Blood-Derived Mesenchymal Stromal Cells Stimulates Hair Growth. Cells. 2020;9(6):1344. doi:10.3390/cells9061344.

    さらに、テストステロン投与により薄毛状態にしたマウスに対し、幹細胞上清液やフィナステリドを単独または併用で投与した動物実験では、幹細胞上清液のみでも毛の本数・太さ・長さの改善が認められました

    なかでも、幹細胞培養上清液とフィナステリドを併用した群が、最も強い発毛効果と炎症の低下を示したと報告されており、既存の薬物治療と再生医療を併用する意義を示唆する結果となっています

    参考文献:Kamali-Dolat Abadi M, Yousefi G, Dehghani F, Shahrabi S, Farokhi M, Tavakoli F, et al.
    The effect of mesenchymal stem cells derived-conditioned media in combination with oral anti-androgenic drugs on male pattern baldness: An animal study.
    Cell Journal. 2023;25(11):790-800.

銀座ステムファインクリニックの薄毛治療

当院の毛髪再生注射は、「生やしたいところに、必要なだけしっかり届く」ことを重視しています。

気になる生え際や分け目など、薄毛が目立つ部分をピンポイントで狙ってアプローチできるため、ただ全体に薬を使うのではなく、若返らせたい部分を優先して整えていくことができます。

また、薬剤を直接頭皮に注入する方法のため、ミノキシジル内服や外用で起こりがちな「ヒゲや体毛が濃くなる」といった全身への影響がほとんどないのも大きな特徴です。

毛根そのものの働きを高めるアプローチなので、「ミノキシジルを続けているのに、最近あまり変化を感じない」という方でも、再び発毛の実感につながりやすい治療です。

さらに、単に本数を増やすだけでなく、今ある毛を太く育てることで、毛量そのもの以上に見た目のボリューム感をしっかり出しやすくなります。

「写真や鏡に写った自分の印象を変えたい」という方にこそ、選んでいただきたい治療です。

当院のこだわり

国内で流通している幹細胞培養上清液を徹底的に比較し、「本当に結果につながるものだけを提供したい」という思いから開発した独自処方です。

当院では、とくに希少な臍帯(さいたい)由来の幹細胞を使用しています。

近年の研究では、骨髄や脂肪などの「大人の組織」から採った幹細胞と比べて、臍帯やウォートンジェリー(臍帯のゼリー状の部分)といった「出産時の若い組織」から採った幹細胞は、

  • 細胞そのものの増えるスピードが速い
  • 組織の修復や再生を助ける成長因子をたくさん出しやすい

といった特徴があることが報告されています16

当院では、こうしたエビデンスをふまえ、 「幹細胞が若いこと」と「成長因子がしっかり出ること」にこだわり、臍帯由来の幹細胞培養上清液を採用しています。

結果、当院の幹細胞上清液は、発毛に重要な成長因子であるKGF(ケラチノサイト増殖因子)値は一般的な製品のおよそ2倍という高い含有量を実現しています。


発毛研究では、KGF(ケラチノサイト増殖因子)は 「眠っている毛包を目覚めさせ、再び髪を生やすモード(成長期)に戻すスイッチ」 として働くことが確認されています17

KGFは毛根まわりの環境づくりにも深く関わるため、健康な髪が育つ土台を整えるための重要な成分と考えられています。

当院が実施した国内で広く流通する上清液と比較した評価では、毛髪の密度・太さがともに約2倍向上する結果を確認。

成分の質と安全性にこだわったことで、「実感の早さ」「見た目の変化」の両方を求める方に選ばれています。

安全性

当院で使用する幹細胞培養上清液は、国内上場企業が運営する GMP準拠(医薬品レベルの品質管理基準)研施設にて、人体に悪影響を及ぼす細菌やウイルスが含まれていないか一つひとつ確認し、「安全性が確認されたものだけ」を治療に採用しています。

「効果だけでなく、安全性にも妥協したくない」という方にも、自信を持ってご案内できる体制を整えています。

患者様の効果実感

一般的な治療では、とくに治療初期は「本当に効いているのか分かりにくい」時期が長く続きがちです。

一方で当院の治療では、治療開始から約2か月目の時点で、約85%の方が発毛効果を実感されています。

多くの方が、半年ほどで見た目としてもしっかりとした治療効果を感じていただいています。

治療方法

当院では、水光注射という専用の機械を使い、頭皮に直接薬剤を注入します。

塗布や噴霧タイプの機械を用いるクリニックもありますが、当院では「できるだけムダなく、均一に、確実に届けること」を重視し、通常よりも極細の針を用いて薬剤を細かく行き渡らせています。

イメージとしては、ハンコ注射のように細かい針で少しずつ薬剤を入れていく方法です。

そのため、液漏れが少なく、頭皮全体にむらなく注入することができます。

注入時には多少の圧迫感はありますが、これまで「痛みに耐えられずに治療を中止した」という方はいません。
(シャープペンで突かれる程度の痛みと表現された患者様もいらっしゃいます)

痛みに配慮した設定と、この専用機器をあえて採用していることこそが、当院の「できるだけ負担を抑えながら、しっかり結果を出す」というこだわりです。

なぜ副作用がないか

● 動悸が起きない理由
ミノキシジルのように血管拡張作用がない
=心拍への影響なし

● 性機能低下が起きない理由
フィナステリドのようにホルモン(DHT)を抑えない
=性機能ホルモン系に干渉しない

● 初期脱毛が起きない理由
ミノキシジルの「ヘアサイクル促進」による一時的脱毛ではなく、
毛根環境を整えるタイプの作用のため初期脱毛はなし。

初期脱毛に関するよくある質問

初期脱毛は、治療を始めた方の多くが気になるポイントです。

「これは普通のこと?」「このまま続けていいの?」といった疑問や不安を感じるのは、ごく自然なことだと思います。

ここでは、実際によくいただくご質問とその答えをわかりやすくまとめました。

初期脱毛が起こらない場合もありますか?

すべての人に初期脱毛が起こるわけではありません。

なぜなら、初期脱毛は「休止期の毛髪が成長期に移行する際の自然な抜け毛反応」とされているため、個人差が大きいからです。

実際に、初期脱毛の発生率には個人差があり、まったく起こらない方もいます。

ガイドラインなどにも「必ず起こるもの」とは記載されておらず、治療反応の一つとして捉えられています。

そのため、初期脱毛がないからといって治療が効いていないわけではありません。安心して継続しましょう。

AGA治療の初期脱毛ではどれくらい髪が抜けますか?

一般的には、1日あたり100〜200本程度の抜け毛が増えるケースがあります。

これは、ミノキシジルなどの治療薬により、毛周期が早く成長期へ移行することが原因です。

実際に、外用薬の添付文書でも「太い毛だけでなく細く短い抜け毛の減少も改善の目安」とされています18

過度に不安になる必要はなく、2〜3ヶ月ほどで自然と落ち着いていくのが一般的です。

初期脱毛が終わる兆候などはありますか?

抜け毛が落ち着いてきたタイミングが、一つの目安になります。

というのも、初期脱毛は治療開始から約2〜8週間で始まり、その後2〜3ヶ月ほどで終わるのが一般的だからです19

さらに、産毛のような毛が生え始めた、ボリューム感が出てきたなども、終息のサインとされています。

気になる変化があった場合は、定期的に頭皮の写真を撮ると違いに気づきやすくなります。

初期脱毛で太い毛が抜けてしまい不安です。

太い毛や長い毛が抜けてしまうのは、初期脱毛の過程で毛周期(ヘアサイクル)が急速に切り替わるためです。

一見健康そうに見える毛でも、成長を終えた髪が新しい毛に押し出されることで抜け落ちることがあります。

そのため、太い毛が抜けると薄毛が進んだように感じやすいですが、実際には新しい髪が生える準備が進んでいるサインといえます。

女性でも初期脱毛が起こることはありますか?

女性でも初期脱毛が起こる可能性はあります。

とくに、女性型脱毛症に対してミノキシジルなどを使用した場合、毛周期の変化により一時的な抜け毛が見られることがあります。

たとえば、女性用ミノキシジルの添付文書にも「効果の目安として、抜け毛の減少や軟毛の発生」を確認するよう記載されています20

男性と比較すると軽度であることが多いですが、正しい理解と継続が大切です。

初期脱毛でスカスカにはげることはありますか?

初期脱毛によって極端にスカスカになるケースは、ほとんど見られません

一時的に抜け毛が増えても、成長期の毛が生える前兆であることが多いため、過剰な心配は不要です。

また、外用薬の添付文書では「脱毛状態の悪化」や「急激な脱毛」が見られた場合には医師への相談を推奨しており、通常の初期脱毛とは区別されています21

不安な症状が続く場合は、自己判断を避け、医師に相談しましょう。

初期脱毛が再発し繰り返される場合はどうすればいいですか?

同じような抜け毛が何度も繰り返される場合は、一度治療内容の見直しが必要かもしれません

なぜなら、通常の初期脱毛は一時的で、2〜3ヶ月以内に収束することがほとんどだからです。

周期的に同じような抜け毛が起こる場合は、薬の使い方だけでなく、体調や生活習慣、脱毛症の種類などを含めて再評価することが大切です。

医師と相談しながら、適切な治療計画を立てることが重要です。

初期脱毛は「新しい髪が生まれる準備期間」。焦らず、正しい理解を

初期脱毛は、AGA治療薬によって毛周期が動き出し、古い髪が抜けて新しい髪が生える準備が始まったサインです。

治療を始めてから2〜4週間ほどで抜け毛が増えることがありますが、多くは2〜3ヶ月で自然と落ち着き、髪のボリュームも回復していきます。

また、初期脱毛はすべての人に起こるわけではなく、幹細胞培養上清液を用いた再生医療やLED治療など、毛髪の土台を整えるリスクの少ない方法もあります。

ただし、「抜け毛が3ヶ月以上続く」、「頭皮に炎症がある」、「体調不良や精神的不調が続く」といった場合は、自己判断せず医師に相談しましょう。

正しい知識があれば、初期脱毛は必要以上に怖がるものではありません。

当院でも初期脱毛や再生医療を含む各種AGA治療のご相談を承っていますので、不安なことがあればお気軽にご相談ください。

あなたに合った治療方法を一緒に見つけていきましょう。

参考文献

  1. 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
  2. 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
  3. 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
  4. 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
  5. 壮年性脱毛症における発毛剤 ミノキシジル配合外用液5%「FCI」富士化学工業株式会社 添付文書。2021年4月作成(第1版) 壮年性脱毛症における発毛剤 女性薬ミノキシジル配合外用液1%「FCI」富士化学工業株式会社 添付文書
  6. 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版。壮年性脱毛症における発毛剤 ミノキシジル配合外用液5%「FCI」富士化学工業株式会社 添付文書
  7. Baltazar Sanabria, MDa ∙ Tamara de Nardo Vanzela, MDb ∙ Hélio Amante Miot, MD, PhDc ∙ Paulo Müller Ramos, MD, PhD. “Adverse effects of low-dose oral minoxidil for androgenetic alopecia in 435 patients.” Journal of the American Academy of Dermatology, April 2021,https://www.jaad.org/article/S0190-9622(20)33074-7/fulltext.
  8. 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
  9. Baltazar Sanabria, MDa ∙ Tamara de Nardo Vanzela, MDb ∙ Hélio Amante Miot, MD, PhDc ∙ Paulo Müller Ramos, MD, PhD. “Adverse effects of low-dose oral minoxidil for androgenetic alopecia in 435 patients.” Journal of the American Academy of Dermatology, April 2021,https://www.jaad.org/article/S0190-9622(20)33074-7/fulltext.
  10. 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
  11. 壮年性脱毛症における発毛剤 ミノキシジル配合外用液5%「FCI」富士化学工業株式会社 添付文書
  12. 公益社団法人日本毛髪科学協会『改訂版ヘアサイエンス』(2023年)41、42ページ
  13. 壮年性脱毛症における発毛剤 ミノキシジル配合外用液5%「FCI」富士化学工業株式会社 添付文書
  14. 公益社団法人日本毛髪科学協会『改訂版ヘアサイエンス』(2023年)41、42ページ
  15. 公益社団法人日本毛髪科学協会『改訂版ヘアサイエンス』(2023年)41、42ページ
  16. Petrenko Y, et al. “Comparison of Human Bone Marrow, Adipose Tissue, and Wharton’s Jelly Mesenchymal Stem Cells.” Scientific Reports. 2020.)。
  17. Greco V., Chen T., Rendl M., et al. “A Two-Step Mechanism for Stem Cell Activation during Hair Regeneration.” Cell 2009;137(6): 1014-1025. DOI:10.1016/j.cell.2009.04.026. など
  18. 壮年性脱毛症における発毛剤 ミノキシジル配合外用液5%「FCI」富士化学工業株式会社 添付文書
  19. Baltazar Sanabria, MDa ∙ Tamara de Nardo Vanzela, MDb ∙ Hélio Amante Miot, MD, PhDc ∙ Paulo Müller Ramos, MD, PhD. “Adverse effects of low-dose oral minoxidil for androgenetic alopecia in 435 patients.” Journal of the American Academy of Dermatology, April 2021,https://www.jaad.org/article/S0190-9622(20)33074-7/fulltext.
  20. 壮年性脱毛症における発毛剤 ミノキシジル配合外用液5%「FCI」富士化学工業株式会社 添付文書
  21. 壮年性脱毛症における発毛剤 ミノキシジル配合外用液5%「FCI」富士化学工業株式会社 添付文書